2002年02月10日

宇宙空間の戦争

宇宙空間を描いたアニメは多い。『宇宙戦艦ヤマト』『銀河鉄道999』『機動戦士ガンダム』『時空要塞マクロス』……と、数え上げればキリがない。

ところで、宇宙空間では、地球上での戦闘と同じやり方は当然ながら通用しないと思われる。
重力が無いことは勿論のこと、気体や温度のないこと、そして上下左右すべての方向が事実上存在しないことなど、環境が違うのだから当たり前の話なのだが、これについて少々考察してみたい。

『機動戦士Zガンダム』の360度スクリーンや、『蒼き流星レイズナー』の回転射撃、『銀河鉄道999』の四方向砲台など、宇宙空間を意識した設定もあるにはある。

だが、ここでは上記のような個々の戦闘ではなく、艦隊戦や城塞攻略などの戦術・戦略を考察してみたいと思う。
宇宙空間では、地球上戦とは違い平面上の戦略では対応できないので、立体的な戦略が必要となる。戦力も部隊数も、平面時の倍以上必要となり、より複雑な戦略が展開されることは免れない。
敵を包囲するには前後左右の4方向に加え、上下の2方向が必要となるし、障害物がない空間では詰め手は困難なハズだ。宇宙空間では射程距離は無限であり、包囲して一斉射撃をすれば、どんなに離れていようと流れ弾が反対側に余裕で届いてしまう。有線ミサイルという手もあるが、それだと打ち込める弾数に制限があるし、遠隔操作はジャミングされることは必至だ。自動追尾やAI機能付きではコストがかかり過ぎる。これらの技術的問題に解決を与える作品は僕の知る限りまだ見られない。『銀河英雄伝説』はそれこそモロに宇宙空間での戦術合戦だが、どうも平面的な印象であった(こんなこと言うと『銀英伝』ファンにお叱りを受けるな…)。

攻城戦で有名な、ソロモン戦、ア・バオ・ア・クー戦では、どちらも守備側が敗北しているが、宇宙空間では城塞を守る側は概ね不利となるようだ。攻撃側は、必ずしも前方包囲する必要はなく、機動性を利用して守りの薄いと思われる場所を狙えばいい。ところが守備側は、攻撃側の動きに対応して部隊を動かすにも、城塞内では移動に手間取り間に合わない為、どこを狙ってくるか分からない敵に対して、部隊の分散配置はやむを得ない。この問題を解消する為に、ソロモンやア・バオ・ア・クーのような岩石要塞で、出入り口を1ケ所乃至2ケ所と少なくすることで守備戦力を集中しても、それは攻撃側も同様で、遠方からのビーム兵器による一斉射撃が可能となってしまう。ただし、逃亡する司令官や幹部を捕らえるのは困難となる。どんなに包囲していても、隠し出口から虚を突いて高速艇で脱出されたら捕らえることはまず無理だ。戦略上逃亡者の捕縛が必須の場合、レーダーはジャミングにより無効となる為に、攻撃部隊とは別に空間を埋め尽くす程の軍隊を用意するか、さもなくばネットでも張っておかなければならない。

しかしそうしたSF設定は、作品の外郭であって本筋ではない為に、その表現には限界があろうかと思われる。話の筋から言えば、戦っている状況が解ればいいのであって、本格的に戦闘を作画しようと思ったら週1番組の製作スケジュールでは不可能でもある。