2006年09月01日

『ゲド戦記』

ゲド戦記

あんまり悪評が飛び交っているので、観に行かない方向で考えていたのでけれど、友人の、どれだけ悪いか観に行った方が良いという言を入れて、観に行って来た。

極力ニュートラルに構えて観たつもりだが、絵が一緒だからねぇ、どうしたって無意識に宮崎駿の作品と比較してしまうよね。でも、むしろ下馬評が悪いだけに案外期待感がなくて良いかも…。

で、観た感想はというと、正直面白くなかった。欠伸が何度も出てしまった。
どこが悪いのか観に行ったにしても、映画自体はそこそこ楽しめるかとも期待していたのだが、これ程おもしろくないものになっていようとは想像だにしなかった。
原作読んでいないせいか、ところどころ不明解なところやその他いくつかの要因が相まって、ちょっと物語に入り込めない感があった。
物語は決して難解ではないのに、肝心なところで説明が抜けているし、世界がおかしくなっている原因が何なのか、結局大ボス(いやあれは中ボスクラスだな)倒したら終わりってのも何かしっくりこなかった。世界がどうのこうのと大風呂敷広げておいて、最後はボス倒しただけで世界が変わるのか疑問。
各個人の背景が見えてこないキャラの見せ方にも問題があるな。原作読んでこないとダメなんて映画は、それこそダメなのじゃないのかなぁ。映画の中だけで整理してみても、その言葉、行動に合点のいかないこと甚だしい限りというのは、やっぱりダメなのじゃない?
細かいこと言うと沢山になるので、最も気になった2点。

まず、主人公アレンが父を殺して魔法で鍛えられた剣を奪って逃げるのだけれど、これの意味が分からない。冒頭突然起こった出来事で、この行動の説明はなく、中盤ようやく説明があったと思ったら、「何故あんなことしてしまったかわからない。時々凶暴になってしまうんだ」って説明になってな〜い。殺しただけならまだしも周到に父が一人になるのを狙い、まさに計画的に魔法の剣を奪うための行動としか思われないようなシーンだったのだが、あれに理由がないってちょっと考えられない…。

もう一つはアレンとテルーが何故仲良くなったか。それまでちょっと行き過ぎなのではと思われるくらい攻撃的にアレンを嫌っていたテルーが、草原で歌を歌っているのをアレンが聞いて涙したと思ったら、次のシーンでは仲良しになっちゃってて、あれっ今何があったの? って我が目を疑った。あのシーンでテルーが心を開く意味がわからない。テルーの心の底からほとばしり出た歌に共感して涙してくれたから? それだけ〜弱いなぁ〜。少しずつ変化があって、ダメ押し的なきっかけとなるならまだしも、あれじゃあちょっと納得できない。


色彩も豊かで絵は素晴らしい。音響・音楽もいい。なのにキャラが魅力がなくて物語が意味不明ではどうしようもない。映画の外の事情は置いておくとしても、何より映画としておもしろくないってのが致命傷だな。
設定、物語等から推察するに、原作はもっと違ったものを表現しているのではないかという感触はあったので、少なくとも、原作読んでみたい気にはなったかな。