2007年11月25日

『パンズ・ラビリンス』

パンズ・ラビリンス

ポスターの絵柄とファンタジーというイメージで観に来た人は概ね期待を裏切られるだろう。
かく言うオイラもその一人だ。

物語の舞台は、1944年内戦下のスペイン。
内戦で父を亡くした少女オフェリアは、母カルメンと共に新しい父親であるヴィダル大尉の治める土地へと連れて行かれる。おとぎ話が大好きなオフェリアはこの土地で昆虫(妖精)に迷宮へと誘われ、自分が魔法の国のプリンセスの生まれ変わりだと告げられて、魔法の国へ帰るにために3つの試練を受ける・・・というファンタジーっぽい展開なのだが、画面はかなりグロい。
戦場のシーンをはじめ、拷問や足の切断手術なども平気で出てくるし、妖精や牧神などファンタジーキャラも何故かグロテスクに描かれている。この全面どす黒く描かれた雰囲気は、ファンタジーというよりホラーに近い。

ファンタジー色の強いプロモーションと実際の作品のテイストに大きなギャップがあるのは、配給会社の問題で、作品的にはかなり作りこまれており、心理描写や展開などは見応えがある。
物語が、果たして残酷な現実から逃避したい少女の空想なのか、本当の出来事なのか、そのあたりの観客への問いかけ方も脚本が巧みに練られているように思われる。

ただ、この作品はファンタジー映画とは言えないだろう。
グロでは売れないとでも思ったのだろうか。期待とのあまりのギャップによる失望を計算に入れると、プロモーション間違っちゃった感は拭えないな。