2007年12月16日

『ベオウルフ』

ベオウルフ

通常の倍価格2,000円での視聴とあって、期待度大。
わかってはいたが、入口で3Dメガネを渡されるとちょっと笑ってしまう。オイラが子供の頃には赤と青のセロファンが張られた紙製のメガネだったが、今度のはプラスチック製だ。

3Dによる違和感は最初の10~20分くらいかな。その内慣れてしまって目新しさもどこへやらだ。
造形やテクスチャなど絵的な面はかなりクオリティが高いが、それに比べて動きの部分はまだかなり荒っぽく、所々に稚拙な動作が目立つ。特に騎馬のシーンはヒドかったな。

技術の向上が生み出す表現というものはあるが、技術はあくまで道具であって主役であってはならない。目的と手段を取り違えた時、その作品は往々にして成立し得ない。
正直、これがフルCGでなくてはならない理由があまり見つからない。むしろCGじゃなかった方が迫力があったろうにとさえ思える。
表現にしても3D効果を狙って剣や槍の切っ先をカメラに向けるシーンが見られたが、それらは3D効果を狙っての演出であって、作品の演出として効果があるかは疑問が残る。演出とその狙いが作品主眼ではなく技術効果を見せるために存在するために、3D映像の違和感以上に、その演出に違和感を覚えた。

ベオウルフ
一番の欠点は3D特有の軽さ。CGって重量表現が苦手なのだよね。最近ではこの欠点を克服している作品も増えたが、この作品においては、まったく軽いまんまだった。
その軽さがアクション全体を軽くしてしまっている。薄味すぎて物足りない感があるのはそのためだろう。
「マトリックス」は、技術を道具として最大限に生かして成功したが、それは表現されるべき内容が、技術をもって可能たらしめた結果だ。『ベオウルフ』における技術は、表現が求めたものではないだけに、むしろ足を引っ張ってしまっていると言える。