2008年04月07日

『クローバーフィールド HAKAISHA』

クローバーフィールド

待ってましたとばかりに張り切って観て来ました。

『ブレア・ウチッチ・プロジェクト』で成功した、ホームビデオで撮られた映像で事件現場の状況を描き出すフェイクドキュメンタリー手法が取られた本作品。揺れまくる映像に車酔いのような症状を起こすと注意書きがされたいたが、映像免疫力の高いオイラはまったく平気で5分もしたら慣れてしまった。でも慣れないでこの違和感を持って見た方がより楽しめたのだろうかとも思えるので、この順応力が一概に良いこととも思われないな。
画面のリアル感や状況の臨場感はハンパなく、演出の意図がいかんなく発揮されている。ただしこの手法はもうこれ以外はありえないと思うので、これっきりだろう。たとえ真似した作品つくるやつがいても絶対に成功はしないこと請け合いだ。

映画が終わった後、街を襲った巨大な何かの正体を類推する客の声が少なからず聞こえたが、正体を云々するのはナンセンス。この映画は「状況」を描いているのであって、状況を作り出した原因は状況を生み出し展開させ、演出させるという存在理由しか持っていない。ラスト近くなるとだんだん巨大な何かの姿の露出が多くなって外見の全体像がわかってしまうのだが、これは最後まで見せない方が良かったと思われた。監督が我慢できなかったものか、あるいは最後まで見せないとアメリカ人客は納得させられないと考えたものか。この点が非常に残念だ。

ただし、この謎というテイスト、映画のプロモーションとしては大いに活用しているらしい。
http://www.1-18-08.com/
http://www.slusho.jp/
http://tagruato.jp/
http://www.youtube.com/watch?v=v5Lvl7FORI8
上記のサイトで「Slusho」「Tagruato」「海底の蜜」などのキーワードによる謎解きが演出されており、Youtubeに映像が公開されていたりと本格的だ。こういう謎解き自体は大好きだし、blogなどで話題になっていることから、プロモーション的には有効だったのかも知れないが、映画的にはこういう謎解きはかえってマイナスな気がする。謎は謎というテイストであって、ワケがわからぬことにより、より不条理感を高めているのであるから、謎が解明されていくにつれ、そのテイストは劣化していく。映画上のテイストとしての謎の価値を保とうとするなら、完全黙秘が正解のハズ。

大怪我負いながら57階を階段で移動できたり、あの惨状の中をハイヒールで走っていたり、細かい部分ではツッコミどころも多いのだが、最後の「いい一日だった」の皮肉といい、ホームビデオに録画された映像をノンストップで流しているだけという演出、当然劇中音楽ナシで終了時も過度な盛り上げナシ(エンドロールも全く音楽ナシだったら完璧だったのにな)。何といっても編集がウマい。編集の巧みさをホームビデオという態で全く感じさせないなど、この映画はかなりポイント高い。期待に十分応えてくれたと思う。DVDは・・・買わないな。