2008年07月19日

『崖の上のポニョ』

崖の上のポニョ
観て来ました。

遂に映画内に悪人が一掃されたな。映画内に悪意を持ったキャラクターが全く登場しない。極めて清浄な世界となってしまった。凄惨な事件が多発する現代社会との対比が著しい。
完全に『トトロ』系の絵本のようなやさしい映画になっているワケだが、当時の世相ってどうだっけかな? 現在と似たような世相だったのだろうか。映画の中に不浄なものを盛り込まないというコンセプトはどこから来ているのだろうか。

とは言え、この映画がおもしろくなかったかと言えばそうでもない。ポニョはカワイイし、作画も声優の演技も安定しているし、色彩も音響とても素晴らしい。
いわゆる水中色を排して鮮やかなに描かれた水中世界は何ともキレイで素敵。おもちゃの船で水上を進む映像なんかは、『どうぶつ宝島』を思い出してしまったゾ。

試練を受けなくてはならない、と言っておいて、全く試練になっていないじゃないか、というツッコミはしてはいけないのかなぁ?
ただ楽しくてカワイイだけの映画となってしまった感は否めない。

心を打つ愛情の吐露だったり、張りつめた勇気、突き抜けた痛快さ、爆発する生命力といったものを映画に期待してしまうオイラのような人間には、少々物足りないのだがなぁ。

映画のプロモーションでは、いかに技巧が凝らされているかということに終止していたが、どうも宮崎映画は一種に工芸になってきたのかなと思わせた。