2008年08月17日

『ダーク・ナイト』

ダーク・ナイト

観て来ました。

素晴らしい出来だった。
152分の大作だが、全く無駄な時間がない。描かれるシーンはどれも非情に濃密だ。
前作『ビギンズ』で描いたシリアス路線を踏襲した本作は、遂にコミックヒーロー映画の枠を脱した観がある。タイトルの中に副題にさえ「バットマン」の文字を入れず、バットマンが全く登場しないCMも流されていて、意図は解るがそれじゃあ客取れんのじゃないのか、と疑問に思っていたのだが、映画を観ると、このプロモーション方法の妥当さに納得することだろう。

ヒース・レジャー演じるジョーカーは、人の心理に干渉する。
他人を追い込んだり、状況を作り出しては善悪や良心、行動心理を試すようなゲームをひとり楽しんでいる。
警察も市民もバットマンでさえ、ジョーカーのゲームの駒にされてしまっている。メイクや衣装はくすんでいるが、ヒース・レジャーの気迫のこもった演技と相まって異様な存在感をスクリーンに映し出している。ジョーカーの下りはほぼ完璧と言ってもイイだろう。

ラストはバットマンの自己犠牲的ヒロイズムを結論としていてイマイチで、これが、アメリカの自己弁護だと思うと一気に冷めてしまうがね。そこは考えない方が映画を楽しめる。

シリーズ第1作でコミカルなジョーカーを演じたジャック・ニコルソンこそピエロになってしまったな。